今国鉄が消滅してから30年の歳月が経過しました。昔から言われているように30年たてば時代が変わります。
国鉄末期のころは、ローカル線というと「赤字の垂れ流し。」とか「地域住民のエゴ」などというイメージがありましたが、今は、都会の人たちはローカル線と聞くと「いいところですねえ。」「乗ってみたいですねえ。」という時代になりました。
これは、全国各地のローカル線にとっては実にありがたい追い風で、各地のローカル線には「どうやってこの追い風に乗るか。」ということが求められています。
では全国のローカル線がグルメ列車を走らせて、旅番組にもよく紹介されるようになりましたので、都会の皆様方から見ると、「ローカル線はおいしいところですね。」というのが常識になりました。
全国各地のローカル線が地元の産品を列車の中で提供したり、あるいは特長ある駅弁を販売することで、都会の人たちは、鉄道沿線はおいしいものの宝庫だというのが常識になりました。
ということは、逆に考えると、ローカル線を上手に使うことができれば、沿線地域の人たちは都会からの観光客を呼ぶことができて、もしかしたら地方創生のツールになるかもしれませんし、だとすればそのローカル線沿線の皆様方も「おいしい思い」ができるかもしれない。
ローカル線があれば、都会人も沿線住民も「おいしい思い」ができるとすれば、今まで一生懸命地元の鉄道を守ってきた沿線地域の皆様方が、そのローカル線から利益を得られるかもしれません。
つまり、今までの「地域のお荷物」から、「地域の宝物」になることができるというのが、今の時代のローカル線なのです。
「おいしいローカル線をつくる会」は公募社長として私が8年間にわたっていすみ鉄道で実践してきた方法を皆様方へご紹介することで、沿線地域を少しでも盛り上げることができればという思いから立ち上げたNPO法人です。
成功事例も失敗事例も含めてノウハウを提供させていただくことで地方創生のお手伝いができれば、ローカル線の地位そのものが向上する。
そうすれば、今まで鉄道を大切にしてきた地域から地方創生が始まることになります。
ローカル線を持つ沿線地域の皆様へ「おいしいローカル線をつくる会」としてお手伝いさせていただくチャンスをいただければ幸甚でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。